• 宗派・宗旨:曹洞宗 神野山
  • 寺院名:天南寺(てんなんじ)
  • 住職名:冨士原大岳(ふじわら だいがく)
  • 所在地:〒292-1158 千葉県君津市鎌滝1090

車で東京湾アクアラインを通ると川崎から約40分。南房総・鹿野山のふもとに天南寺はあります。本堂に向かってハンドルを切ると、大きな石灯籠が出迎えてくれました。境内の杉、柳、銀杏などの木立はことごとく大木で、開山546年目の歴史を見せつけられる思いです。お迎えしてくださったのは27代目・冨士原大岳住職。お寺の威厳ある佇まい、住職のお名前のイメージとは正反対の、明るく気さくなお人柄です。手入れの行き届いた境内の落ち着きには、やはり開山以来の年月の重みが感じられます。

由来

曹洞宗は、今から800年ほど前の鎌倉時代、南宋に留学した高祖・道元禅師(どうげんぜんじ)が日本に伝え、四代目の太祖・潺山禅師(けいざんぜんじ)が一層盛んにされた伝統ある宗派で、福井県にある永平寺、横浜市にある蟯持寺、二つの大本山を持っています。天南寺は、越後の国の太守・源義長公の子で、出家して武蔵の国・越生の龍穏寺(太田道灌が再建)の住職であった華嗔正綏禅師が開祖となり、寛正元年(1460年)に小糸城主・秋元一政公の祈願所として、小糸の鎌北に「神野山天南寺」と号し開山しました。その後、幾度かの火災による焼失、・再建があり、本堂、庫裡が建立されて現在に至っています。本堂は平成2年に改築を終了し、境内には金比羅堂、鐘楼堂、北城氏の攻めにより滅亡した秋元城主と弔った五輪塔もあり、本堂には徳川将軍家より拝領品の数々、「大聖釈迦如来涅槃」の大掛軸など、由緒ある歴史的な文化遺産を蔵しています。